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ポケモン擬人化・二次創作雑文他、日々雑文                                                                       二次創作・擬人化等に嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。                                                            各公式団体とは一切関係ありません。展示物の無断転載・加工・模写などはお止め下さい。
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SS【BL注意!!】


月乃飛鳥様に差し上げ物。保存転載は月乃様のみどうぞ。
自宅っ子のバクオング(♂):篠ノ雨と月乃さん宅のニューラ(♂)さん。
『軍人企画』さんで知り合い、有難い事にお付き合いして頂いております。


・・・リバカップルです^^

読む覚悟がつきましたら続きよりどうぞ。


軍人企画様より、中央国所属スパイ(派遣先:北)の仔亜さんをお借りしました。


 


 


 


andante (仔亜篠仔亜)


 


煮た林檎の皮の赤い部分をこそぎ取り、柔らかく煮て裏ごしした林檎の果肉と共に鍋で煮詰める。

木ベラで掻き混ぜながら、傍らに座って雑誌を捲っていた彼をぴこぴこ手招いて、とろりと温かいジャムをスプーンに掬い。


「あー」

「あ」


促して開けさせた口にスプーンを突っ込み、


「甘過ぎですか?」


スプーンを咥えたままふるふると首を振る。

スプーンを返して貰って、


「付いてますよ」




引き寄せて




舐め取る




口付ける




眼を見張った彼に笑い返し、もう一度啄ばんで小鍋に向き合う。

ふつふつ煮立つ小鍋から、木ベラでジャムを掬って、同じスプーンで味見の一口。


真後ろに、彼の気配。


とろりとしたジャムの甘さとスプーンの金気が舌の上に広がる。




「篠さん」


のしっと。

寄りかかられた弾みで、かちりとスプーンに歯が当たる。


 




「“付いてる”って嘘でしょ」


 




あ。


ばれた。




-----




「珍しい」


ふきゅ、と背後から抱き付かれて。


「何がですか?」


耳元がこそばゆいと思いつつ、平静を装って火から小鍋を下ろし、瓶にジャムを詰める。


「篠さんがそーゆー事言うの」

「さっきの様な“嘘”?」


微苦笑しつつ聞き返せば、こっくりと頷かれる。


「あと台所でってのが」

「あー・・・」

「“台所”で“篠さんから”って珍しい・・・・・・」


「・・・・・・あの」

「・・・ん?」

「お願いですからしみじみと言わないで下さい」




肩に顔を埋められて、感慨深げに言われてしまって。

我に返って、今更恥ずかしくなってきた。




「だって本当に珍しい」




・・・・・・此処まで珍しがられるって、私は台所でどんな反応していたんですっけ?




「だって篠さんが台所でなんて・・・」

「だから、何で台所に拘るんですか」

「・・・・・・」


暫し沈黙。


「台所で引っ付こうとすると、はたかれるか“大人しくしてて下さい”オーラが出てる・・・」

ぽそりと。

「今日の篠さんは引っ付いても怒らない」

さらにふきゅーっと抱き締められて、くすぐったくて落ち着かない気分になる。


・・・・・・でも、

・・・・・・以前それで一回鍋噴き溢して料理駄目にしたんです。

・・・・・・でも、其れは自分の都合で。

・・・・・・火と刃物使ってない時だったら別に良いかとも思うけれども、けじめは付けたいとも思うし。

・・・・・・少しくらいなら?


「篠さん?」

「・・・いえ、何でも無いです」


でも、


「今だけ、特別ですよ」




身を捩って、引き寄せて




―――深くて、長い。

籠もった微かな水音と、息吐く音だけが鼓膜を打つ。

掻き抱き、掻き抱かれて起きる衣擦れの音を、声を伴った吐息の音を。

知覚すればするほど離れ難くて。

それでも、止め時を見失う前に。

最後、と啄ばんで身を離す。




「・・・雨が降るカモ」

肩口に顔を埋めて呻く彼に、苦笑いを返して。

「・・・・・・まぁ尤も、此処じゃ降るのは雨じゃなくて雪ですけど」

「じゃあ、万年雪が融けるカモ」

「異常気象ですか」


くすくすと笑って、彼から身を離そうして・・・止める。

額を突き合せて、意地悪く笑ってみせた。


「じゃあ私は、昨日から熱中症にでも罹ってのぼせてるんでしょうね」

「昨日」

「ええ。だーれかさんが、ちーっとも冷まさせてくれませんでしたからねっ」


にーっこり笑って言えば、憮然とした様子で彼が唇を尖らせる。


「治まろうかって度に煽った人に言われたくナイ」

「煽った覚えはありませんが」

「ウソツキ。だって俺、あんなに緩緩蕩蕩な篠さん初めて見た」

「・・・そこまで持っていったは何処の誰でしょーねっ」


一頻りくすくす笑い合って、漸く躰を離す。


「さて、食料の買出しに行きますか。そろそろお店の開く時間ですし」


昨日買った分じゃ昼は兎も角、夕飯には足りませんしね。

と、財布片手に玄関に向かおうとすれば、服の裾を引っ張られて。


「俺も行く」


思わず笑ってしまったのは、可笑しかったからではなく、嬉しかったから。


 


「では、一緒に行きましょうか」


 


差し出した手を、迷いも無く取られた事が嬉しくて。

さあ、夕飯は何にしよう。何処に買いに行こう。

まだ日も高いのだし、今日は始まったばかりなのだから。




歩くような速さで、ゆっくりと。




肩を並べて過ごしましょうか。


 


 - - - - -


andante  [歩くような速さで]


・・・・・・長い上に恥ずかしいorz

ちまちま手を加えたら更に恥ずかしくなった。


うん、あれですよ。

長期休暇で郊外に部屋借りて、同棲ごっこの初日ですよ。

(否、正確には二日目か。うん。一日目は掃除してご飯食べてうなうなしてたんだようん)




絶賛返品可!!返品可!!


 


因みに緩緩蕩蕩=ゆるゆるとろとろ

平仮名で書いたらエロいと思い漢字にしてもなんかエロい。

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