忍者ブログ
ポケモン擬人化・二次創作雑文他、日々雑文                                                                       二次創作・擬人化等に嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。                                                            各公式団体とは一切関係ありません。展示物の無断転載・加工・模写などはお止め下さい。
[43]  [42]  [41]  [40]  [39]  [132]  [131]  [38]  [37]  [130]  [36
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

SS【BL注意!!】


軍人企画さんより、仔亜さんをお借りしました。
保存転載は月乃様のみどうぞ。

仔篠仔です。


軍人企画様より、中央国所属スパイ(派遣先:北)仔亜さんをお借りしました。





Cry for the moon (仔篠仔)




ふり仰ぎ見た、上下逆さの視界に映るのは、カーテンの合間から覗く銀の盃。

極北の空を飾る綺羅星は、さならが月の盃から零れた甘露だろうか。




月が欲しいと泣く子供




自分は大人になっているし、諦めるという事も身に馴染んで。

(しかしそれ以前に、子供の時から何かをねだるという行為自体をしなかったらしいが)

『月が欲しい』など大それた我侭を言う前に、『(月を)見ていられるだけで、充分だ』とあっさり線を引いてしまった。

昼夜も変わらず天にある月の様に、唯変わらず其処にあって欲しいと。

幸せで、居てくれるのならば、と。


本心は、どろりと濁った、澱の様に。

心の底に沈めて、視ないふりをしていた。


月が傷付いたら、怒るくせに。

月が隠されたら、捜すくせに。

月が砕かれたら、泣くくせに。


手を伸ばすのが、恐かった。

拒まれて、避けられて。


踏み込んで傷付くよりならば、今のままで。

友人として傍に居られれば、それで良い、と。


ゆるゆると、細く吐息を一つ。

夜の闇に吐き出して。


もそりと。身じろぐ気配に意識を戻せば、肩口に顔を埋めるようにして眠っていた彼が、不機嫌そうな、咎めるような目でじぃっと見ている。

理由が解らずに首を傾げて視線で問えば、むっと眉を寄せて躯を浮かし。


瞬きの間に視界が塞がれ、温く暖かい物に目尻をなぞられ、啄ばまれた。


「・・・・・・ぁ、の・・・し」

何が起きたのかと暫し呆け、続く名前を口に出す前に音ごと唇を啄ばまれて阻まれる。

覗き込む眼差しと、重ねられた体温に。

半ば蕩けた思考で緩く首を傾げ、彼の首に腕を絡めて頭を抱き。

薄く唇を開けば更に深くと求められる。

絡め捕られつつ、乾いた喉で、こくりこくりと嚥下。

・・・・・・追いつかない。

端から伝い落ちる雫で首筋が濡れる。

「・・・っ、」

雫の跡を辿るように温く這われ、喉が震える。それでもその間に口内を干して、漸く息を吐いた。

「・・・・・・仔亜、さん?」

彼の下からずり上がる様に這い出て半身を起すも、そのままぺそりと肩口に顔を埋めて抱き締められる。

互いの躯の境すら曖昧な程に融かされた体温に、蕩けるような吐息と共に眼を瞑る。

そろりと瞼の縁をなぞられ眼を開ければ、自分を覗き込む赤の双眸。

「篠さん」

眼の縁に添えられていた指が、雫を乗せて唇に当てられる。

舌先で触れれば、それは幽かに塩気を含んで。


「何で泣いてたの?」


ふるふると首を振って、微苦笑を返す。

「何でも無いのですよ」

「・・・嘘吐き」

月光を受けた深紅の、咎める視線に射竦められ息を呑む。


「俺には話せない?篠さんに辛い事があっても話して貰えないくらい、俺には頼れない?

 ・・・・・・そんな顔して黙って泣いて・・・何も無いなんて言わないで」


――傷付けた。

――困らせたくないから吐いた嘘で、彼を傷付けた。


何も言葉に出来ず。

落ちた沈黙の中、溜息を吐いて彼が躯を起こそうとするのを、抱き締め引き留める。


「篠さん」

微かに苛立ちを含んだ声に、背筋が粟立つ。

――恐怖。

怖れているのは、彼に拒まれる事。厭われる事。

解っているなら放せば良い。

これ以上抱き締めて、彼に厭まれるのが嫌ならば。

でも。

彼に立ち去られるのが怖いのも、また事実で。


ひぅと息を呑む。

喉が詰まる。

抱き締めた肌から伝わる、狼狽の気配。

ぼろりと頬を伝う雫の熱さに、自分だって驚いた。


 


「好きです」


 


嘘吐きの卑怯者なんです

あの時初めて自分の想いに気が付いた様なふりをして

物分りの良い大人のふりをして冷静な自分であろうとして


本当は、もっとどろどろした、醜く足掻く自分が其処に居たのに




「好きなんです愛しています」


ずっと、ずっと前から


「貴方が笑っていてくれると嬉しくて、貴方が幸せで居てくれる事を願って」


何時から、そう思う様になったのかは、解らなくて。

ただ、姿を見れると嬉しくて。

気を、許して貰えているのだと、ほんの少しだけ自惚れて。


「お願いです」


「ずっと、貴方の傍に居させて下さい」




――貴方が許してくれる限りでいいですから




「御免なさい

 自分でも如何しようも無い位


 貴方が好きです


 貴方を愛しています」


 


愛してくれとはいわないから

想うことだけどうか、許してください

重荷にならないように、自制しますから


 


虚だった自分が、初めて好きになって、初めて愛した人


想うだけで、泣きたくなる程に、愛しい人


 


+++++


今までに親愛友愛、家族へとの愛情を抱く事はあっても、欲を含んだ情を抱いた事が無かった為の今更の葛藤。

付き合い始めて、2・3ヶ月~半年辺り。

普段取り繕って内心のあわあわした感情をひた隠しにしていたのが、此処で露見。

落ち着いてる、冷静、大人だなぁとか思われていても、恋愛経験値はゼロなんですのよ。

(絶対仔亜さんの方に分があります。此処に関しては篠ノ雨何も言えません;)

与える愛情はあっても、「欲しい」と渇望する情を今まで抱いた事が無かったんですよ。

去るもの追わず~の精神だったのですよ。

気付いたのはあれかなぁ・・・他人面された時に「淋しい」って思った辺りかなぁ~。

23・4になって今更初恋かよとか言わないで^^;色々精神的事情があったんだ。


この一件の後、漸く企画内で上げていたSSや下の同棲ごっこで見せる余裕が生まれます。

伝えたい事を伝えれたので。(開き直ったとも言う^^;)

軍人企画内では7歳差?(告白の時点で)27と20だったのですが、月乃さんの御好意により、篠ノ雨23・4、仔亜さん20と年齢差を縮めさせて頂きました。有難う御座います。

(ええ。28とかで性別変換バトン使って女体化~とか高齢出産~って辛いなー(篠ノ雨が)と思ってて^^;)




―そして余計な蛇足―

私が書くと、大体仔亜さんが篠ノ雨の上で眠ってる構図になります^^;

いえ、仔亜さん華奢っ子さんなので、細身で身長は篠ノ雨の方が低いと言えど、篠ノ雨が上で寝たら・・・ぽきっといくんじゃないかと毎回心配(失礼な

あとーは・・・仔亜さん覆い被さられたり、閉じ込められる体勢嫌うんじゃないかな~・・・と。何となく。

私の杞憂にしろ、女体化してる時なら兎も角、篠ノ雨が上になって眠る事は無いと思います。ぽきっといったら怖いから^^;


 


―そして更に余計な蛇足―

上の事は睡眠時の事です勿論。

最中はどちらが主導権握ろうが上なろうが下なろうがー。

寧ろ篠ノ雨はがっつり喰われてk(ry

コイツが啼かされてても相手が仔亜さんなら親は止めません^^


・・・・・・リバばんざーい!!

PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
Copyright © 空空空 (ガラアキゾラ) All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]