忍者ブログ
ポケモン擬人化・二次創作雑文他、日々雑文                                                                       二次創作・擬人化等に嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。                                                            各公式団体とは一切関係ありません。展示物の無断転載・加工・模写などはお止め下さい。
[1]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「大丈夫ですよ」とその人は安心させる様に心配する相手に微笑みかけ、


「だいじょーぶっ、ですよー」その娘は周囲を信頼してるからこそふにゃりと顔を綻ばせる。


「あー、大丈夫だいじょーぶ」とある男は何でも無い事の様に言ってひらりと手を振り、


「だっ、大丈夫っ、…なの…です…」と眼を逸らした娘は傷口を隠して後退る。


「大丈夫だから」と言い切ってみせる娘のは強がりで、


「…………。大丈夫」溜息吐きつつ、諦観の様子で彼女は紫煙を燻らした。


+++++

え、なんとなく…。
同じ言葉で書き分けてみるシリーズ?

取り合えず企画っ子達で。
上から篠ノ雨、祝、瑪月、冴重、ディアレント、ストラス。

前向きなのは祝と瑪月。
無理矢理でも前に進もうとしているのがディア。
スーさんは前を向いてはいるけど止まってる。
冴重はじりじり逃げてますね^^;

一番の曲者が篠ノ雨です。
PR
(前)の続き。

色々クロスワールド。

注)当世界観では、セレビィのみ複数存在する事になっています。
  他の伝説系は1体のみの存在です。
妖怪企画さんより、ヘルガー♂:瑪月(マーユエ)

軍人企画に参加していた篠ノ雨(バクオング:♂)の親友にして幼馴染み、そして既に故人。現在半分人間半分精霊(っぽいもの)。
死後『風渡り』(注1)となってあっちこっちをふらふらしつつ、現在は平安の京で『送り狼』(注2)の化生として灯り無し蕎麦屋の店主やってます。

(注1)
当世界観参照。セレビィ直下の運命介入者の総称。
(注2)
悪い意味ではなく、人が狸や狐に化かされたり、災難に遭ったりしない様安全な場所まで送ってくれる狼・山犬の事を指す。
夜明けの名前の四兄弟妹


霞暁、暁嶺、曙紅。

因みに長兄はあの人です。

本家ブログから再録。
小さいけれど、灯りをくれた人が居たのです。

今、生きているかは、判らないけれど。

だから、まだ

頑張ってみています。
暗いっす^^;
グロは一切無いですが・・・暗いっす。

大体七つとか、六つの頃?
「篠ー。今の時期何食いたいー?」
 台所で篠ノ雨が小エビの背わたを取る傍ら、鉛筆片手に大ぶりの角切りサツマイモの入った鬼饅頭を頬張る瑪月が帳面に向かっている。
「冬…ですか?」
「おう」
 久方振りにやって来た友人の質問に暫し首を傾げ、自分の手元を見ながら答える。
「そうですね…矢張り鍋とか…」
「んー…鍋なぁ…大人数の時には良いんだけどなぁ」
「うちのお客、あんまり連れ立ってこんからなぁ」とボヤく瑪月に、「あぁ、蕎麦屋のメニューか」と納得して篠ノ雨はアドバイスを変える。
「ねぎとマグロのねぎま鍋や、つみれ大根とか…小鉢で出せると美味しいと思うんですけどね」
「おー。そうかー魚系で煮崩れしないのならいけるかなー」
「後は辛い煮込み料理」
 エビの背わたを取り終わり、次に豚肉を薄く切りながら篠ノ雨は続ける。
「……あの時代で手に入る辛味ってなんだろなー」
 唐辛子に山椒に…豆板醤の作り方覚えて行くかなー。あー、蒸した冬瓜に鷹の爪入れたあん掛けたら旨いかなー。生姜の葛湯も出したら喜ぶかなー。
「………。」
 嬉しそうに帳面に書き綴る瑪月を半眼で眺め、篠ノ雨が口を開く。
「瑪月…常々疑問に思っていたんですが」
 んー?と毛先の赤い黒髪を揺らして瑪月が帳面から顔を上げる。
「あんたとっくに故人ですよね」
「おう。綺麗サッパリ身体はないなぁ」
「でも幽霊にしては安定してますよね」
「まぁ厳密には幽霊と違うからなぁ…肉体無いけど」
「………」
「………」

「あんたそんな身体で一体何処で蕎麦屋やってんですか!?」
「ひ・み・つ」

 篠ノ雨の尤もな疑問に、瑪月はへらりと笑って人差し指を振る。
「……あんたがソレやっても可愛く無いですよ」
 かっくりと頭を落として呻くも料理の手は止めず、豚肉の入った鍋のアクを掬い舞茸と小エビを入れて更に煮込む。
「ところで篠何作っとんの?」
 くつくつ煮込まれた鍋から漂うのは、空腹を誘うピリ辛の香り。
「今日の夕飯用、エビと細切り豚肉のピリ辛ワンタンスープ」
「あ、美味そう」
「じゃあ作り方書いてあげますよ」
「……あ、お裾分けは無いのね」
「余るほど作ってませんから。材料位は分けてあげますよ、幼馴染みのよしみで」

 そう言って笑う幼馴染みの表情は、昔と比べようも無い程柔らかで。

「…なぁ篠」
「はい?」
「今、幸せ?」

 何を突然と瞬きながら、それでも幼馴染みの相棒に答える為、篠ノ雨は口を開く。
「幸せですよ。そう言うあなたは?」
「…幸せ…かはまだ判んないけどなー。楽しいぞー。面白い奴ばっかだし」
「なら良かった」と破顔する姿からは、一度精神的に死にかけた奴とは思えない程に生気に満ちていて。
 『大切なのは身内だけ』と言う昔の姿からは想像出来なかったが、矢張り『好い人』が出来るとコイツも変わるらしい。
「お前さぁ、好い人出来たんだから、自分の事大切にしろよ?」

 昔みたく真っ先に自分を切り捨てようとしないで。
 昔みたく他人の幸せの為に身を削ったりしないで。
 昔みたく傷を隠して大丈夫と微笑んだりしないで。

「昔みたく女と間違われたからって相手を速攻で沈めたりしないで」
「あれは間違えた向こうが悪いでしょう」
 しらっと綺麗に微笑む姿に、十年来の付き合いの瑪月はその笑顔の下の怒気を感じて肩を竦める。
「そこに関しては短気だよなぁ…お前」
「女と間違えた上に男だと判っても尚しつこい相手は手っ取り早く黙らせるのが一番でしょう?」
 にこにこにーっこり。
 それはもう綺麗に綺麗に笑う幼馴染みの姿に、瑪月は自分が踏んだ尻尾は獅子か虎か、それともドラゴンかと本気で考えて顔を引き攣らせる。
「一回じゃなかったのか……お前」
「ええもう何度拳で黙らせた事かっ。男同士で酒飲みに行くより女性陣に交じってお茶会している方がどれだけ楽しかったか解ります?」
「怖い…篠怖い…」
 今にもめきょりとこめかみに指を喰い込ませてきそうな篠ノ雨に、カタカタカタと肩を震わせて慄く瑪月。昔から一番冷静に対応しつつ、内心では既に相手を黙らせる気満々でにこやかに微笑むのだから性質が悪い。

「ああ、でも」

――これだけ間違われるのを嫌っていても。

「『彼』は例外ってか~」

 口に出した途端に消えた怒気に、うんうんと微笑ましく頷けばぺしりと頭をはたかれる。
「痛っ」
「痛い訳無いでしょ。…それに、彼は『例外』じゃないですよ」

――その時の篠ノ雨に、微笑んだ自覚は在ったのか無かったのか。



「彼は『特別』です」



 何度繰り重ねた言葉ですら、その微笑みほど明確な意思の重みは無かっただろう。
 それ程までに誇らしげで、幸せそうな、素直な表情。
 まさかコイツの口から惚気を聞く日が来るとは思ってなかったと、思わぬ収穫に笑みを零す。
「そか」
「はい」
「新婚並みに甘甘か~」
 しみじみと呟いた瑪月の一言に、篠ノ雨が片付けようとしていたまな板を落とした。
「はい!?」
「違うの?」
「ナニ馬鹿言ってんですか!」

 ……動揺する篠ノ雨を見るのも珍しいなぁ、と。

 懐かしさを楽しんだとある午後。
貴方は知らないでしょう。
貴方が何時、私等弟妹(きょうだい)の為にその躯を、命を、魂を。
あっさりと切り売りするんじゃないかと日々恐々としていた事など。

だからあれ程までに「嫌だ」と、「行くな」と、「お願いだから」と言い続けたのに。

なのに貴方は行ってしまった。
「私の所為だから」と。
「置いていくね」と、長かった竜胆紫(ロンタンツー)の髪を、惜しげもなくバッサリと切って。
貴方にしてみれば「何か」あった時の為に墓所に入れる遺髪だと、それだけだったのかも知れないけれど。
あの時私達は、私達弟妹は。
髪と一緒に切り捨てられ、置いて『逝かれた』気すらしたと言うのに。

『大丈夫。何時も一緒に居るから』と、言ったのは貴方なのに。
貴方が私達を置いて行くのですか。



何故貴方だったのですか。
何故貴方『だけ』が、生まれたばかりの魂を真っ白に壊されなければならないのですか。

――神よ。
貴方等があの人に与えた『天録』は、詫びですか。
『亡月神』があの人に与えた苦痛と暴挙と慟哭への、詫びの『天録』ですか。
それこそ自力で『亡月神』の障りから生還したあの人への冒涜だというのに!!



そして何故――
何故今更またあの人が傷つかねばならぬのですか。
何故あの人ばかりが傷つかねばならぬのですか。



似ていたから?
巫覡だから?
鎮魂歌の謳い手だから?



ふざけるな。
ふざけるな。
ふざけるな。



彼は私達の『兄』だ。



貴方方の
あんたらの
あなたらの



都合の良い『贄』じゃない。



+++++

夜明けの名前を持つ四兄弟妹の、弟妹三人の慟哭。

当の本人は『大丈夫だよ』と言って笑うから、根本では信用されてません。信頼はしてるけど。

時間的には篠ノ雨が軍属なった頃~悪夢ピーク時からぽつぽつと。

三人ともお兄ちゃんっ子なんだよ。
Copyright © 空空空 (ガラアキゾラ) All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]